「異次元の少子化対策」という政策を最近よく耳にしますが、
保育の面ではどのような点が改善されるのか気になりますよね。
政策自体にもちろん賛否両論ある部分はあると思いますが、
日本で現在検討されている対策と、カナダでの現状を比べてみたいと思います。
こども誰でも通園制度
2024年度から保育園への入園条件を撤廃する制度が実施予定とのこと。
就労しているしていないに関わらず、時間単位で柔軟に利用できる通園の制度で、
月一定時間の利用可能枠の中で利用できるとのこと。
ここで思うのがそもそも日本の保育園の位置づけが
「親の仕事の関係上”仕方なく”誰か(保育園)に預けなければいけない」
という前提なので、この考え方からしてカナダの保育とは乖離があるなと感じています。
カナダにおいて英語では保育=Early childhood educationと呼ばれ、
幼児教育という位置づけであるため、保育園もベビーシッター施設という位置づけではなく、教育機関という位置づけで捉えることができます。
その前提であればこども誰でも通園制度は当たり前の話であり、
保育士の地位も向上するのではと思うので、
この動きは小さな一歩として前向きに捉えていいのではないかと思います。
これに対して世間では「就職活動の間少しでも見てもらえるのはありがたい」
「保育士さんはただでさえ大変なのにさらに大変になるのでは?」
という声も見られました。
また、現場の声としては「今でさえいっぱいいっぱいなのにこれ以上どう受け入れれば」
という声や「不定期に短時間の保育となった場合、安全に子どもを預かるには性格や持病などの情報を保護者から得ておく必要がある」
「保護者とコミュニケーションをよく取って、信頼関係を築かないとやっぱり一番そこが子どもにも響いてしまう」という意見も。
カナダにも短時間だけ子どもを預けられるoccasional child careという制度があります。
利用できるのは生後18ヶ月以上の子どもで、1日最大8時間、月最大40時間まで預けることができます。
スタッフは保育士資格を保持している必要はなく、Responsible adultという20時間のコースを履修して取得できる資格を持つ人が働いており、
配置基準は3歳未満がいる場合1:4、全員が3歳以上の場合1:8となっております。
通常の保育園とは別にこのoccasional child careに特化した施設であることが
ほとんどなので、通常の保育園で保育士の負担が増えるということはありません。
ちなみにカナダでは仕事をしていないから保育園に入れないということはありません。
仕事の終わる時間や仕事が休みかどうかも関係なく預けることができます。
日本でも保育園が教育機関として認められ、より多くの子どもが
幼児教育を受けられるようになればいいなと思います。
保育士の配置基準改善
時期は未定ではあるものの、幼児教育・保育の質向上のため、
保育士の配置基準を見直す方針とのこと。
現在1歳児が1:6の基準のところを1:5、4・5歳児が1:30のところを1:25に
改善を検討しているようです。
こちらについては、改善する姿勢は評価できますが、
4・5歳時の保育士の負担がまだ高いように思います。
カナダでは0〜2歳児が1:4、3〜5歳児が1:8のため、
まだまだ個別にサポートが必要な子どももカバーできますが、
1:25だとそれも難しいのかなと感じます。
また、保育士等の処遇改善もあわせて検討するとしていますが、
こちらもまずは保育を単なるベビーシッターではなく、
幼児教育者として位置付けることで改善していけたらいいのではないかなと思います。
さらに賃金の向上だけでなく、1つ1つの園自体が多くの事務作業や
イベントの準備などの保育時間以外のタスクを極力減らし、
実質の労働時間削減へ向けて努力するのも重要な一歩ではないでしょうか。
学童保育
「小1の壁」と呼ばれる学童保育(放課後児童クラブ)の待機児童解消に向け、
環境の整備が進められているとのこと。
受け入れ人数を拡大する他、常時職員の配置改善を検討しているそうですが、
具体的な政策はまだ出ていないようです。
カナダで学童保育はBefore and after school careまたはout of school careなど
と呼ばれており、学校の始まる前と放課後に、親が迎えに来るまで滞在できる
施設があります。
こちらも都市部は待機児童が多く発生しており、学童に入れないから
パートタイムで仕事をするという親もいたりします。
働く側の話をすると、資格はResponsible adultの資格が必要なだけなので、
子どもに関わる仕事がしたいけど保育の資格を取るほどの時間と予算がない、
という方にはおすすめかもしれません。
ちなみに配置基準はキンダーガーテンと1年生が1:12、2年生以上は1:15と
日本の4、5歳児の基準より負担がありません。
ただし働く時間は学校の始まる前と放課後なので、毎日フルタイムで朝から夕方まで、という形態ではありません。
午前中に語学学校に行っているワーホリの方などはちょうどスケジュール的に
いいかもしれませんね。
いかがでしたか?
異次元の、と銘打っている以上、抜本的に色々改善されていけばいいとは思いますが、こう見てみてもカナダの保育事情は日本と比べると進んでいるなと思います。
日本で保育の経験があり、カナダで保育士として働いてみたいという方は
相談サービスも受け付けておりますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡いただければと思います。






